1. 午後の理髪店 (Afternoon in Barber Shop)
友人が営む理容院がある。
昔からそこで髪を切ってもらうのだが、話をしながらゆっくり寛ぐ時間も過ごすものだ。
その時のテーマ曲。
20年以上前に作った曲だが、瀬戸内の風景やそこに住まう人々の日常を表現したい本作
にぜひ収録したく、録音することにした。
午後の“理容院”よりも、午後の“理髪店”のほうがしっくりくるのでこのタイトルにした。
2. Harbor Wind
若い頃からのお気に入りの小さな港がある。
そこでは友人たちと集ったり、楽器の練習をしたり、ひとりボーッとしたりしたものだ。
とても穏やかで、そこにいるだけで安らぐスポット。
ゆっくり流れる時間を表現。こちらも20年以上前の作曲。
3. The Around Fifty
49才の時に作曲。
レコーディングメンバーでもある山本優一郎さん・森川泰介さんとの3人でのライブが
あった当日、急遽作曲した変形ブルーズ。
アラフィフとなった3人の「気怠さ」を表現。通常のブルーズよりも小節数がちょっと
多いのがポイント。
アラフィフともなると一つひとつの行動に「もう1小節」要するものだ。
ピアノのなかにし隆さんが先輩の #フィフ感 を添えてくれているのがじつに有り難い。
4. 江田島 (Etajima Island)
近年、瀬戸内海の色々な島に行ってトランペットの練習をしている。
前作のSANZUIでは「似島」「杉之浦」という、まさにその島で練習しているうちに
出来たメロディを無伴奏ソロで収録しているが、本楽曲はその続編。江田島の切串で
練習中に完成したメロディだ。
なお、島での練習中は結構動画を撮っている。
5. mynaPoint
マイナンバーカードを作り様々紐付けして最大ポイント数をもらえるように申請した時の
記念として作曲。
メロディは「my number」・「myna point」の言葉の語感。
ただし、広島弁のイントネーションになっている。
(広島弁だと、「マイ↗︎Nu↘︎ンバー」・「マイナ↗︎Po↘︎イント」となる)
6. 夕景 ― ビルと風 (The Town at Dusk)
近年、レッスンのための物件をとあるビルの最上階に設けた。
DIYも駆使し結構苦労して体力も要したが、完成すると感慨も深い。
作業後の達成感。遠くには瀬戸内海の夕景。窓を開け放つと心地よい風が入ってきた。
コロナ禍だった。先もわからないけど出来ることを精一杯やった。
部屋の完成時のそんな様々な感情が一気に曲になった。
7. Harbor Wind 2
2曲目に同曲があるが、その無伴奏ソロバージョン。
メロディにハーモニーの要素も程よく散りばめながら即興で録音した。
この曲は転調が多く無伴奏で表現するのは実はなかなか難しいのだが、
あまり作戦を立てずにやったらワンテイクで納得のものが録れて嬉しい。
8. 引力 〜 カロン (Force of Attraction)
録音も済んで、時間が余っていた時に山本優一郎さんからの提案でこれを演奏した。
フリーで始まり、音たちが徐々に集まり形になりはじめる。
カロンとは冥王星の衛星だ。引力により星が形成される過程を表現している。
9. Blue Wife
過去リリース作品にも収録されている。
「色々スッタモンダがあったあげく打ちのめされブルーな気分のとある奥様が
曇り空のもと瀬戸内海を眺めているうちに少しではあるが希望も湧き始め
明日への一歩を踏み出そうとしている、という心の様子(※フィクションです)」
を描いた、昼ドラ的舞台背景を持つ曲。お子様への説明が難しい。
なお、島根県の某中学校の下校時の音楽として一時期毎日流れていた模様。
それを聴いて育った当時の生徒さんに会ってみたい。
(全曲作曲 河村貴之)
河村貴之 Trumpet, Flugelhorn
なかにし隆 Piano
山本優一郎 Bass
森川泰介 Drums